嫌われたくなくて綺麗め元ホステスカウンセラーを演じていたけど、すべてを諦めてからが始まりだった

私のこと

朝、目が覚めると泣いていた。

もう何度目のことだろう。

なぜこんなことをやっているのかさえ、分からなくなっていた。

何かを成し遂げようとする時、何か目指しているものがある時、私はいつも「見えない誰か」と戦っていた。



絶対に叶えてやる!

絶対に諦めない!



このやり方が正しいのだ!この方法じゃないとダメなのだ!こうじゃなければダメなのだ!

最近いい調子だ。あともう少しだ。あともう少しで喪が明ける・・・。

そんな気がしていた。


鬼のカウンセラーにバチくそに斬られるまでは。






**

綺麗め元ホステスカウンセラーとして売り出してはや数年。

カウンセラー駆け出しの頃は「中洲生まれ北新地育ち」なんていう小っ恥ずかしいネーミングは使っておらず、元ホステスであることも公にはしていなかった。





何かインパクトを残したい。

イメージを尖らせたい。

カウンセラーとしての方向性を定めたい。

専門性を出したい。




まるで地下アイドルの自己紹介のように、覚えやすく分かりやすい語呂合わせで元ホステスであることを全面に打ち出し始めた。


思っていた以上に、そのイメージを浸透させるには時間がかからなかった。




ホステスとしての見られ方

ホステスという肩書き

大阪北新地というブランド

夜職を始めたのも当時はお金が欲しかったという理由で入った世界。なんやかんやで面白く、いろんな人との付き合いが楽しくて刺激的で、気づけば5年以上も勤め上げていた。




夜の匂い、光る怪しげなネオン街。

最初はそんな異世界にビビり散らかしていたのだが、5年という歳月は良くも悪くも「慣れ」と「当たり前」を生んだ。




それは一般的な視点とは少しズレた、自分の中だけの「普通」となっていた。

ホステスなんか誰でもできる。

私は特別なんかじゃない。



そもそも私は福岡の田舎育ちであり、実家の最寄りの駅だって無人駅。

電車の本数も1時間に3本ほど。酷い時は2本。車両だって2列と少ない。




そんな田舎娘が5年以上も都会の繁華街で過ごしていたらどうなるか?




芋娘っぽさは消え失せ、身振り手振り立ち居振る舞いは、夜の女に変わっていた。

それは自分が思っている以上に無意識レベルに刻み込まれていた。



だが、本質の部分は何も変わらない、むしろ変われない。



あの頃の私のまま、アホでふざけるしおもろいこと好き。

人生ぶっ飛びまくってるけど何も考えていない芋女のまま。



男女の駆け引き?取引?男性への甘え方?そんなもんクソだな!

そこが私の魅力だった。




しかし、世間から見た「ホステス」という期待値は思いのほか高かった。




男性接客数や経験を積んでいる

自分の売り方を知っている

自分の魅せ方を知っている

恋愛の駆け引きの仕方をを知っている

甘え上手、頼り上手

男心を分かっている

男性を掌で転がすのが上手い





は?

だったら今ごろ私はパートナーとランデブーしているはずだろ。

現実を見ろ!現実を!





だが、その現実は外からは見えないようにしていた。

「そうは言っても、男の一人や二人くらいいるんでしょ?」

どうせできるんでしょ?いるんでしょ?上手いんでしょ?

ホステスという肩書きが上手いこと現実を美化してくれて、芋女の私を消してくれた。


それに私は器用貧乏なところがある。

不器用なはずなのに卒なくこなすところもあるため、できる系の演出は何故か知らんが学生の頃から得意だった。



何となくでその場その場の求められるポジションに七変化できる。邪魔をしない。相手を惹き立てれる。空気を乱さない。だけど目立つ。まさにカメレオン。


しかし、いつの日からか、その美化されたイメージは私のカウンセラーとしての重圧となった。



みんなの期待に応えたい

夜職っぽいことを言わねば。

専門性を出さねば。

何も考えずに夜の蝶(自分で言う)をやっていたなんてバレたくない。


男心を全て知っているかのように振る舞わねば。

男性を掌で転がしているのではなく拳でやり合ってるなんてバレたくない。

(拳でやり合う=ハートが開いていない状態でパートナーと向き合ってしまうという意味。警察沙汰になったことはあるが殴り合ったことは今のところはない)



私も長らく恋愛や仕事に苦戦してきた身。

社会に染まれなくて職がなかなか定まらず、ストレスで働けなくなった経験もある。


前よりかは随分とマシになったものの現時点で結婚しているわけでもなく、パートナーがいるわけでもない。

アラサーミドサー、せめて✖️くらい欲しいところだが、結婚しないと罰もつけられない。



期待に応えたい。

女性として生まれたことを呪っていたあの頃の私のように、一寸の光が差し込み救われた気持ちになったあの頃の私のように、もっと優しくて生きる希望が感じられる世界を広げたい。

その思いがいつしか空回りし本来の目的を見失い始めた。

綺麗めホステスを演じるあまり、私の中で辻褄が合わなくなってきたのだ。

何をやっても上手くいかない、上手くやれても楽しくない、面白くない、続かない、満たされない、虚しさ、不足感、枯渇感、犠牲心、この感じ、この感覚、この雰囲気・・・



やばい。

デッドゾーンだ。

別名、死の誘惑。


いつの間にか、私は私を誤魔化しすぎていたのだ。
しかもそれが不快だということに気づかず、同じ角度、同じ指圧、同じテンポでマス◯ーベーションを続けていた。



さらに追い打ちをかけるように羞恥心が加速した。



誤魔化しているなんて誰にもバレたくない!と思ってる私は、誤魔化しが効く範囲で他人と交流し、誤魔化しが効かない範囲に人が近づけば其奴は排除。または呪いを放った。

クルーシオ!

セクタムセンプラ!

アバダケダブラ!

バルス!




これでは自分と向き合っているなんて到底言えない。都合よく正当化し、見たくないものから逃げているだけだ。

(逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ)






そして当然だが、自分と向き合わず逃げれば逃げるほど追い詰められた。

それは分かりやすい形で現実化し、お金やライスワーク、大切な人が病気になるなど、あらゆる場面で投影が起こった。


これらも全て、鬼のカウンセラーにはお見通しだった。

それとなく誤魔化しで放ってきた全てのものがブーメランとなり、手裏剣のように自分に降り注いできた。


ついに私のメンタルは心肺停止に陥った。(中辻はちょろい)






鬼のカウンセラーは私に言った。


「お前はもう、死んでいる」





まだ生きていると思いたかった。

そんなはずはない!何かの間違いだ、まだ死んでない、まだやれる。

「私のアドレナリンは今沸々と湧き出ているのだ!」




その湧き出ていたものがアドレナリンではなく、赤い血だったことを知ったのはだいぶ後だった。




鬼が言った。

「いま正直にどんな気持ちですか?」








・・・消えたい。


なんで私はカウンセラーをやっているんだ?

私は何がしたいんだ?

私はなぜカウンセラーになったんだ?

なんで自分はここに居るのか?

なぜここに辿り着いたのか?



そんなことももう分からなくなってしまっていた。




斬られたら斬り返す。

ずっとそれを座右の銘として生きてきた。



が、今回ばかりは斬り返したとて太刀打ちできない相手であることはすでに分かっていた。




斬れないなら切れる刀を手に入れる。

斬れる刀が手に入るなら何が何でも対価を払う。

ずっとそんなことをやっていた。



ただそれももう限界が近づいてきた。




斬れる刀なんて見つからない。

斬れる刀なんてどこにもない。

ないないない!何にもない!




もっと楽に生きれたら、もっと器用に生きれたら苦労しないのに。

そう思ってこの世界へ飛び込んできたはずなのにいつの間にか逆の方向へ進んでしまっていたようだ。





さぁここからどうする?

この世界から離れる?辞める?諦める?





鬼は言った。

「そのまま出しやがれ。」





つづく






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